皆さん、読書はお好きですか?
ネットコンテンツが普及している現在、情報もエンタメも手軽に得られるようになり、読書離れが深刻化してきたと言われています。
SNSに慣れている若い世代にとって、読書はハードルが高いのかもしれません。
この記事を開いた皆さんの中には、
「読書を始めてみたけど、なかなか続けられない」「読んではいるけど、この読み方でいいのかわからない……」
という方もいるかもしれません。
読書は習慣が命だと筆者は考えています。また、読書には決まった方法はありませんが、メリットを得やすい効果的な読書法もあるのです。
この記事では、これから読書を始めたい、読書を習慣にしていきたい方へ、現役の図書館司書で年間100冊の本を読む筆者が考える、
- 読書のメリット
- 読書を習慣化する方法
- 効果的な読書法
をお伝えしたいと思います。
ぜひ最後まで読んでみてください。
目次
なぜ読書は習慣が命なのか?
読書は毎日継続していくことで、読むための力が向上していきます。
読むための力とは、最後まで読み切る基礎体力や、内容を理解する読解力です。
日常的な読書経験のない読者が、一朝一夕にこれを身につけるのはなかなか簡単ではなく、日々の読書で鍛えていく必要があります。
また、筋肉トレーニングと同じで、ブランクが空いてしまうとせっかく鍛えた読書力も衰えてしまうのです。
そのため、読書を毎日のルーティーンのなかに取り入れ、習慣化させることで読書力を鍛えていきましょう。
読書を習慣化させる5つのメリット
ではここから、「じゃあ読書の習慣化にはどういうメリットがあるの?」ということについて解説していきます。
➀クオリティが保証されている
1つ目は、内容のクオリティが保証されていることです。
出版物である本は、小説なら文学賞の受賞経験がある文章を生業としている作家や、実用書や専門書なら分野の専門家によって書かれることが多いです。
またこれらに共通して言えるのは、作者の身元がはっきりしている点、書かれた内容の責任所在が明らかな点、出版社による編集・校閲・校正を通している点です。
これによりネットコンテンツとくらべて、文章、内容ともに一定の質と正確性が保証されていると言ってよいでしょう。
➁文章力・読解力・語彙力が身につく
2つ目は、文章力、読解力、語彙力などの言語スキルが身につくことです。
1つずつ解説していきます。
文章力
読書を通して質のいい文章に触れることで、自身の文章力を向上させることができます。
特に文章のリズムに気をつけながら読んでみてください。
「この文章はリズムが心地いい」と思えるものを見つけたら、同じ作者の本をたくさん読んでみましょう。
具体的にどこがどう気に入ったのか分析しながら読むことで、良い文章の基準が感覚的に掴めるようになり、自然と文章力が向上していくでしょう。
気に入った文を書き写してみると、さらに効果的です。
読解力
文章の意味を考えたり、登場人物の気持ちを想像しながら読むことで、読解力を磨くことができます。
読解力が身につくことで、言葉の意味を正確に読み取ったり、他人の気持ちを察したりなど、他者とのコミュニケーションに役立ちます。
読書で読解力を磨きたいときは、感情表現がストレートすぎるライトノベルなどは避け、純文学などの作品を読んでみるとよいと思います。
語彙力
豊富な言葉に触れることで、語彙力が身につきます。
語彙力が身につけば、ユーモアある言い回しで他人を楽しませたり、知的な印象を与えたりと、人間的な魅力のある人と見られるようになるかもしれません。
現代の小説だけでなく、近代の有名な文学作品なども読んでみることをオススメします。
➂教養が身につき知的好奇心が増す
3つ目は、知識を得ることで教養が身につき、知的好奇心が刺激されることです。
本には綿密な取材、もしくは作者の実体験に基づいた専門的知識が書かれていることもあります。
作家には兼業で執筆活動されている方もいるので、小説の要素として本業の知識を活かして書かれたものもあるのです。
楽しんで読みながら知識をもらえたらすごくラッキーですよね。
読書をとおしてたくさんの人の知識や知見を得ると、身の回りのことに気づきが生まれ、これまでと違った見方ができるようになります。
また新たな分野への知的欲求が生まれたりと、自身の興味も広がり、人生に彩りを与えてくれるでしょう。
➃感受性が高まる
4つ目は、感受性の高まりです。
登場人物の人生や非日常を感情の動きとともに体験することで、感情が柔軟になっていきます。
自分と違う立場の人や、違う感性を持つ人の内面を知ることができ、コミュニケーションにおいて大切な“他者への共感力”も育まれるでしょう。
また映画やドラマと違い、文章から情景などを想像する力が必要になるので、主体的に考える力や想像力が身につくことも期待できます。
➄視野や価値観が広がる
5つ目は、視野が広がり狭い価値観から抜けだせることです。
読書をしていると、作者や登場人物など他者の価値観に触れるため、視野が広がり、身の回りのことにも新たな価値を見出すことができるようになります。
日常では、狭い価値観に捉われてしまうこともありますが、読書で得られる気づきによって小さな悩みから解放され、自己肯定感を上げることができるのです。
読書を習慣化させるコツとは? モチベーションをアップさせる方法
ここまで、読書における習慣化の必要性とメリットについて説明してきました。
では次に、習慣化させるにはどうしたらいいか、その方法について解説していきたいと思います。
毎日決まった時間に読む
読書の習慣化には、毎日決まった時間に読むことが最も効果的です。
決まった時間に同じ行為をくり返すことで、脳が次第にその行為を当然のものと認識するようになります。
通勤電車の中、職場の休憩中、寝る前など、自分のなかで最適なタイミングを決めて、毎日10分ずつでも必ず読む習慣をつけましょう。
毎日10分読むという小さな成功体験を積み重ねると達成感が得られ、読書へのハードルも低くなっていき、読書に充てる時間も自然と長くなっていくでしょう。
読書好きの人と交流する
読書好きの人と交流すると、モチベーションアップにつながり習慣化しやすくなります。
交流の方法としては、読書会や読書サークルに参加する、SNSで読者好きの人とつながる、などが挙げられます。
読書記録アプリ「読書メーター」では、ほかのユーザーとフォローし合う機能があり、お互いに感想を読み合ったりコメントし合ったりできます。また、読書イベントを主催して趣味の合うユーザーを招待することなど、読書を通した多様な交流ができるのでオススメです。
読書記録をつける
読書記録をつければ、毎日の蓄積が可視化され、習慣にしやすくなります。
記録をつける際は、読了日、タイトル、読み終えての感想などを書きましょう。
読み返しやすいようノートにつけてもいいですし、SNSや先ほどの「読書メーター」で投稿するのもオススメです。
書店や図書館へ行く
書店や図書館など本がたくさんある場所に、ぜひ積極的に足を運んでみましょう。
そうすることで知らなかった本との出会いもあり、読みたい本が増えてモチベーションが上がります。
次に読みたい本ができれば、自然と読書の習慣化にもつながっていくでしょう。
積読する
読みたい本を溜めておく積読も、実は読書を習慣化するにはとっておきなのです。
買った以上は読まなければ、という心理が働くので、毎日継続して読書をする意欲につながりやすくなります。
ただし、買いすぎは経済的にピンチになったり、読書への義務感ばかりが強くなってしまったりするので、ほどほどにしておきましょう。
無理をしない
読書の習慣化には、「読まなければ」と思うのもある程度なら効果はありますが、あまり無理をすると辛くなり逆効果になってしまいます。
読みたくない本は読まない、読んでみて合わないと感じたらやめる、など自分のキャパシティーを意識しながら無理なく継続していくことが大切です。
また、読書に疲れてしまったときには、無理せず少しのあいだ休息しましょう。
習慣化の次の段階へ! 効率よく効果的な読書法とは?
毎日欠かさず読み続けられるようになってきたら、レベルアップして読書自体の質を上げて効果的な読書法に挑戦しましょう。
斜め読みにならず、読み終わった後も内容が頭に残るよう読むにはどうしたらいいか、筆者が実践している方法をご紹介します。
メモを取る
1つ目は、メモを取る、です。
読みながら気になった箇所について、自分が感じた疑問点や、思ったことなどを書きだしてみましょう。
インプットしながらアウトプットも取り入れられるので、読書の効果を大きく上げることができます。
気に入った文章をそのまま書き写してみるだけでも、手を動かす作業によって重要な部分が頭に残りやすくなります。
付箋を貼る
メモを取るのが難しければ代わりに、気になった箇所に付箋を貼ってみましょう。
メモを取るより読書のペースを乱さずに済みますし、付箋を貼ることでその部分がより頭に残ります。
なにより、付箋を貼ることのいちばんのメリットは、後で読み返すときに探しやすくなることです。
感想や書評を書く
読み終わったら、感想や書評を書いてみましょう。
「感想がなかなか出てこない」「書評と言われると尻込みしてしまう」という方は、気に入った場面について書いたり、自分なりに内容を要約して書いてみるというのもオススメです。
読んだ後のアウトプットをすることによって、記憶が長持ちしやすくなるので、ぜひやってみましょう。
書けた感想をSNSやホームページにアップしてみるのも、モチベーションアップにつながります。
「読書メーター」では、感想の投稿と、ほかユーザーの感想の閲覧ができるので、こちらもぜひ活用してみてください。
再読する
最後の方法は、再読する、です。
人間の記憶には限界があるので、一度読んだ本の内容をいつまでも覚えておくことはできません。毎日続けてほかの本を読んでいれば、なおさらですよね。
気に入った本は、時間をおいて再読してみるということをオススメします。
そうすることで、一回目に読んだときにはなかった、細かい気づきがあったりします。
何度もくり返し読めば、その度にその本の新たな魅力に気づくことができ、飽きよりも新鮮な感動に出会えるのです。
最後に
いかがでしょうか?
読書について、習慣化するメリット、習慣化の方法、読書の効果を上げる方法について、解説しました。
冒頭でもお伝えしたとおり、読書の方法に正解はなく、自分の読みやすいように、主体的に読んでいくことが大切です。
ですが、読書に興味を持ち始めた方、まだ読書に慣れていない方への道しるべとして、この記事がお役にたてれば幸いです。
ぜひ、みなさん充実した読書ライフを送ってください。